「スウィニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」

スウィニー・トッド

ティム・バートン大好きなんで、基本的には全肯定っちゃ全肯定なんです。でも今回はちょっと残念だったなあ…。原作付き・ミュージカルってことであまりストーリーをいじれなかったことが敗因でしょうか?ミュージカルもやっぱりみんな本職じゃないから、うまいけどパンチがなく、聞いていて「なぜ歌う?」と思ってしまう。後ティム・バートンの映画に必須であるところの「異形のものの希望と絶望」が描かれてない…。いや、描いてるんだとは思うんだけど、トッドってもうタイトルどおり「悪魔」じゃないスか。なので狂った悪魔が、シザーハンズばりに「誰かに理解されたい!」とか思ったりしないっスよね。私としてはこのカタルシスが一番大好きなので、それが少ないと悲しいなあ。もちろんおどろおどろしいビジュアルはパーフェクトだし、グロもありつつコミカルなシーンもあったりとすごく面白かったです。でも「特別な一本」には絶対ならない映画。ティム・バートンの映画って「特別な一本」色が強いと思うのでそこが残念でなりません。