「アヘン王国潜入記」高野秀行

これ、私大好き!ミャンマービルマ?)のゴールデントライアングルと言われるアヘンの生産地に行くというルポ。そんなところがあるとも知らなかったし、少数民族が住む辺境で人々がみんなでせっせとアヘンを作っているという事実も当然知る由もなく。まあ当然ドラッグがあるんだからどっかでアヘンを作ってるはずなんだけども。そういう目から鱗に始まり、その辺境の村がすごくいい。アヘンを作っているという不健全さがなく、いい感じで前時代的。しかも作者もそんな彼らに正面からぶつかって普通に人間関係を築いていくところもよい。辺境の村の面白さ、ドラッグビジネスというアングラの世界に「これが当然」という善悪がひっくり返って一週回って健全な世界がある不思議さ、後はアジアのいろんな問題も考えさせられます。でもぜんぜん「いやあ、勉強したわ」という重さもなく。最後は泣くかと思いました。てか後書きで泣きました。