「海街diary 1 蝉時雨のやむ頃」吉田秋生

吉田秋生には「YASHA」と「イブの眠り」で裏切られ続けてきたので「海街ダイアリーて!フォークソングかよ!」と思って買ったんですが、よかった。鎌倉を舞台にした四姉妹の物語。末の妹がいかにも吉田秋生な大人びた子供で。やっぱり彼女は孤独な子供の悲しみを描いたら上手いし絵になるなあと実感。もうデカい話は書かずにこういった心に染みる半径3m以内の少女漫画な物語のみを紡いでいただきたいと往年のファンは願うばかりっす。ただ不安なのはこの物語が「ラヴァーズ・キス」の登場人物をかぶらせること。前2作が延々バナナフィッシュを引きずって劣化させまくられただけに…。そんな松本零次みたいなスターシステム使わなくても十分いい話書ける人なんだからあ…。このシステムが前二作のひどさを招いたと思いたい私としては不安でなりません。