今週の島耕作

シマコー、作者にエールを送る

今、みなさんご存知のとおり、島耕作ウォッチャーとして「シマコー、社長になる」というとんでもなく楽しいシチュエーションが来ています。還暦記念以来の興奮です。島耕作が社長になるキッカケが「前会長(だっけ?)が急逝し、その葬式で死んだ彼から背中を押される」というスピリチュアル体験だったことも爆笑したのですが、最後とうとう「専務島耕作」最終回を、シマコーと広鐘先生は私たち読者を完全に置いてけぼりにするような「シマコーと作者が対話する」というエピソードで〆やがりました。なんだこれは。娘の「お父さんはいつまで社長をやるの?」の問いに対する耕作の答えが「作者が生きてる限り続けようかな」ですよ。2008年だっつーのに「どんだけ〜!」とつい言っちゃいましたよ。この漫画、半笑いせず読んでる人って作者以外に存在するの…?とちょっと大笑いしたあと不安になりました。つかこれ俗に言うネタバレってやつっすか?まあ、島耕作を単行本で集めてまじめに楽しみにしてる人なんて、絶対こんなとこ見てないだろうから知ったこっちゃないっす。

「魔女」1、2巻 五十嵐大介

世界中の「魔女」と呼ばれる女を描いたオムニバス。前読んだときは作りこむ世界観がうるさい気がしたんですが、2巻買って通して読んだら作者の世界観に素直にぐーっと引き込まれました。まあちょっと美しすぎる異端の話ですが、それも含め面白いです。

「少女ファイト」4巻 日本橋ヨヲコ

この巻は日本橋ヨヲコの醍醐味である「恥ずかしいばかりに青臭い絆と友情を知る」っていうプロセスが丁寧に描かれていて面白いです。面白いんですが、この舞台が私の地元のため、「知ってる風景が描かれてて興奮してるだけかも…」という疑問が常に頭をよぎります。

「A―マスコミが報道しなかったオウムの素顔」森達也

話題の人なんだけど、ハードカバーを買うのは敷居が高いなっつーことで古い本を文庫で買ってみました。オウム時間真っ盛りのときに、オウムのドキュメンタリーを撮ったという話題作。「なぜオウムはサリンを撒いたのか」という疑問から密着取材を始めた作者の目がだんだん「オウムを扱う社会」についての興味へと移っていくところがすごく興味深いです。社会が「善」と「悪」のどちからのレッテルを貼りたがってることへのじんわりとした恐怖が襲ってきます。これはきっと新しい死刑の本にも繋がるんでしょうね。でも映像の人なので、当たり前の話ですがノンフィクションと違って、絶対に何かについて結論をつけることをしないというところがちょっと物足りない感じ。映像のほうがよいのかな。

「ROOKIES」森田まさのり

ドラマ化されたのを見てて「これ漫画のまんまじゃん!」とびっくりして押入れから全巻出して読みました。いやー、泣けるね。熱いよ。つかドラマ、ほんとにそのまんまなんですよ!私若菜が好きなんですが、若菜が宮崎あおいの旦那というチンピラ丸出しキャストで最高です。見た目がぜんぜん高校生じゃないってところも漫画のまんま。森田まさのりはやっぱり私の中にあるヤンキーを刺激する…!ついでにろくでなしブルースも手に入れようかと思いましたが、こっちは葛西と薬師寺がごっちゃになってるくらい記憶があいまいです。葛西が池袋で薬師寺が浅草…?超「おれがあいつであいつがおれで」状態。後葛西の学ランって紫じゃなかったっけ…?それは子供の私が勝手に記憶を捏造してる…?

「ホタルノヒカリ 11巻」ひうらさとる

今回は小休止で次に大きな展開があるって感じみたいですが、今回は優香ちゃんにびっくり!泣いたよ!ホタルノヒカリは登場人物の一人残らず優しくしっかりと描こうって描いてる感じがしてとてもよいなあと思います。やっぱり人は表と裏があってこそ人だよなあとじーんとするエピソードでした。

「電気グルーヴの続・メロン牧場―花嫁は死神」

8年ぶりだって…。CDと同時発売なんですが、すごい洗練されたおっさんの音楽になってて歳月を実感しました。でもメロン牧場ではうんこの話ばっかしてて下品ぶりでは熟練した安定感です。もう電気については否定できないという恐ろしいところにまで来てる気が…。オールナイトニッポンの2部やってたときから聞いてるんで…。えーと…もう干支一回りくらい経っちゃったの?!こえー!!